昭和とは遠きにありて思ふもの

音楽と旅が好きなおっちゃんが、気ままに書いています。

ビートルズ「ライブ・アット・ザ・ハリウッドボウル」

季節の変わり目は、天候が不安定なことが多い。
雷が「ぴかっ」と光ったと思ったら、「ゴロゴロ」と巨大なリバーブがかかったように空に響き渡る。
夜空を一瞬昼のごとく照らし、巨大なティンパニーのごとく轟かせる。
リバーブエコーとは、ちょうど風呂の中で鼻歌を歌ったときに、心地よい音の余韻を感じるそれだが、それが空いっぱいに広がったような感じである。

ジャイアン ボエボエ


マイクを持ったジャイアンは、それこそ気持ち良さそうに歌っているが、まさに雷のようだ。


雷の音は、ジャイアンの歌声を数万倍にしたようなものか。


雷は、その



との時間差で、遠いか近いかがおぼろげに分かる。


「ぴかっ」と光って「ゴロゴロ」と鳴るまでの時間が長ければ長い程、遠いということになる。


あるとき、夕立が降り始めたので、雨宿りをしていると、例の「ぴかっ」と光って「ゴロゴロ」と鳴っていた光と音の時間差がだんだんと短くなってきて、終いには雷光が「ピかっ」と光ったと同時に「ゴロゴロ」ではなく、巨大なムチが大地に打たれたかのごとく
「バチッ」
という音がした。


雷に対してあそこまでの恐怖感を体験したのは、あのときが初めてであった。


「雨宿り」
はロマンスを生むだけではない。


凍てつく夜もさだまさし 「雨やどり」


さだまさし

さんの
「雨宿り」
がふと頭に浮かぶ。


先日、BSプレミアムの「プレミアムカフェ」という番組で、「東京ドーム」建設のドキュメンタリーが放送されていた。
雨天時には野球が中止になる。
という常識が変わったのは、東京ドームができてからである。
アメリカでは何か所かできていたが、日本では初のドーム球場である。
空気膜構造屋根であるアメリカのメトロドームをモデルとして設計された。
あの丸い屋根は、たった0.8mmの膜でできている。
東京ドームは、単に野球場としてだけでなく、コンサート会場としても大活躍している。
様々なアーティストがコンサートを開いたが、何といっても1988年4月11日に開催された美空ひばりさんのコンサート「不死鳥コンサート」だろう。

美空ひばり  人生一路


何と東京ドームのこけら落とし公演、ミック・ジャガーの来日ステージを見て、音質には不満を持ちながらも歌い切ってみせると宣言したそうである。


重症の肝硬変と大腿骨骨頭壊死で、マスコミは再起不能とまで報じていた。


美空ひばり復活を印象づけるコンサートは、実は命を削ってのパフォーマンスだった。


翌1989年6月伝説となった。


まだドーム球場がなかった時代に、ビートルズが野球場でコンサートを開いたのが、
The Beatles at Shea Stadium


ニューヨークの
シェイスタジアム
でのコンサートであり、この模様を9月22日よりアップル公式作品
『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』
として全国公開されている。


野球場でコンサートを最初に開催したのはビートルズである。


ダイジェストなどは見たことがあるが、全編をぜひ見たいものである。


同じく2016年9月9日にアップル公式作品として発売されたのが
、『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』
である。


これは、もともと1977年5月に
『ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!』 (The Beatles at the Hollywood Bowl)
として発売されたが、一度廃盤になっている。


BEATLES Live at Hollywood Bowl 1964


今回も1977年版と同様、1964年8月23日と1965年8月30日にロサンゼルスの
ハリウッドボウル
でのコンサートでの収録分がもとになっている。


「ベイビーズインブラック」
などの数曲がボーナストラックとして添えられた。


高校生の頃、このアルバムに心踊らされた自分を思い出す。


あのときは、ただ熱中していた感がある。


興奮していたというべきか。


でも今はゆっくりと、じっくりと聞いてみたい。


あのときには見えなかった何かが見えるかも知れない。

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