昭和とは遠きにありて思ふもの

音楽と旅が好きなおっちゃんが、気ままに書いています。

月と紙兎ロペ君

今朝は湿度が低く、爽やかな朝だ。
窓を開けてみると赤とんぼが数匹飛んでいるのが見えた。
秋の訪れと呼ぶにはまだまだ早いが、着実に近づいているのは何となく分かる。
今夜の満天の星空と鮮やかな月の光を予感させる。
赤とんぼの言葉から、ふと「あのねのね」「赤とんぼの唄」を思い出してほくそえんで
赤とんぼの唄 あのねのね 2005


いる自分がいた。


月にうさぎが住んでいるという伝説は、月の影がウサギに見えたからだ。       影は月のくぼみ、つまりクレーターである。


今なら天体望遠鏡もあるし、なにせ人間が実際に月に行っているから、とてもうさぎが住める環境ではないことも知っている。


もちろんロペ君も住めない。

紙兎ロペ「海編」


日本では、「うさぎの餅つき」だが、海外では「本を読むおばあさん」であったり「ライオン」だったりする。


月を題材にした歌は枚挙に暇はない。


ビートルズ
の曲に
「ビコーズ」
という曲がある。                  


【Art】The Beatles ~Because~(和訳付)


この曲のメロディは、ベートーベンの「月光」の譜面を
ジョンレノン
がふざけて逆さにしたものを、オノヨーコがそのまま弾いたメロディがヒントになったと言われている。


この曲は、ハープシコードから始まり、次にギターが加わり、最後にコーラスが重なってくるというイントロで、途中ジョージハリソンの奏でるシンセサイザーが
ホルン
のような響きで、まるで夜空に響く悲しみのクラクションのようで、全体的に哀愁を帯びており、美しいというより崇高な感じさえする。         
そもそもこの曲が収録されているアルバム
「アビーロード」全体を通してある種の哀愁が漂っている。


インターネットを紐解けば、月を題材にした曲は数え切れないほどのラインナップで、また洋の東西を問わず検索される。


ところでポルノグラフィティの
「アポロ」
という曲の中に



僕らの生まれてくる ずっとずっと前にはもう
アポロ11号は月に行ったっていうのに


ポルノグラフィティ アポロ広島弁


という歌詞がある。


私はリアルタイムでアポロ11号が月に行っているのを、テレビなどで見ていた世代である。


当時は毎日学校に行くと、
浅間山荘事件
と、
アポロ11号の月面着陸
の話題で持ち切りだった。


「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」
はアームストロング船長のあまりにも有名な第一声である。


大阪では、灯りが多くなかなかきれいな星空を望むことは期待できない。


そもそも私は、「これが天の川」というようなくっきりとした記憶がない。


あるとき久しぶりに小海線に乗るチャンスがあった。


甲斐大泉にあるペンションを予約したが、そのとき電話口からは「街灯がほとんどなくて、駅からの徒歩は危ない。」というようなことを言われたのを覚えている。


部屋の窓から眺めた星空は、
金子 みすゞさん

「星とたんぽぽ」
の一節を思い出す。



昼のお星は目に見えぬ
見えぬけれどもあるんだよ
見えぬものでもあるんだよ


余談ですが、昨夜広島カープは勝ちましたが、二位の巨人も勝ったため優勝はお預けとなりました。

優勝マジックは、とうとう「1」です。
非破壊検査株式会社 CM 金子みすゞ「星とたんぽぽ」60秒

コッキーポップ

先日、静岡県掛川市にある「ヤマハリゾートつま恋」が営業を終えるというニュースが飛び込んできた。
つま恋WPCM2016


施設の老朽化や経営状態の悪化が主な原因とのことだが、その発表に衝撃を受けた方は多いと思う。


私は現地を訪れたことはないのだが、シンガーソングライターの聖地だ。 


若い頃ラジオで
「コッキーポップ」
という番組が放送されていて、私もリスナーのひとりだった。


ヤマハがスポンサーであり、「つま恋」の宣伝や、「ポピュラーソングコンテスト」通称
「ポプコン」
での優勝作品を流したりしていた。


今でも円広志さんの
「夢想花」
や世良公則&ツイストの
「あんたのバラード」
、クリスタルキングの
「大都会」
など名曲揃いである。


司会を勤めていたのは
大石吾朗
さんで、番組の初めの頃に流れる


「黙っていれば友達になれない、叫ばなければ消え去ってしまう。私たちが生まれてきた時から育ててきた何かを伝えあうために、ちぎれかけた世界の心と心を繋ぎ合うために、私たちの歌が今 ここにある」
というセリフは「懐かしいなあ。」と思う方も多いと思う。


ポプコンでの優勝者は、「世界歌謡祭」にも出演が約束されていた。


我々の年代のことを
「ポプコン世代」
と呼ぶ人もいるようだ。


因みに、大石吾朗さんはもともとミュージシャンである。


寺内タケシさんと一緒に活動していたギタリストだ。


おそらく番組を担当するのに、これ以上の人はいないと言っていいだろう。


私がこのニュースを聞いたとき、「ひとつの時代が終わったな。」という感じだった。


最後に、「コッキーポップ」の中でもよく流れていた名曲、
中島みゆき
さんの
「時代」
の詞の中の一節。
時代 -ライヴ2010~11- (東京国際フォーラムAより)


   回る回るよ 時代は回る
   喜び悲しみ 繰り返し


きっと別の世代の方も、いや世代に関係なく、いいことも悪いことも含めて様々な思い出を作り、育んでこられたことだろう。
形を変えて、歴史は繰り返される。